ペットにあげても大丈夫?CBD入りペットフードについて解説
最近、注目を集めているCBDは、実は人間だけでなくペットにも健康増進効果があると言われています。
人間と同じく、犬や猫も不調やストレスを抱えやすい動物です。
CBDはペットのストレスケアや健康管理の一つとして、オイルやペットフードなどが販売されるようになりました。
そこで今回は、ペット向けCBDの効果と商品選び、注意点についてわかりやすく解説します。
大切な家族が快適で長生きできるヒントになるので、ぜひ参考にしてください。
CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される成分で、摂取することでリラックス効果や鎮静効果、抗炎症効果を得られます。
大麻は危険な薬物として日本での使用は禁止されていますが、CBDには依存性や高揚感などがなく、安全性の高い成分として認められているため、合法的に摂取することができます。
CBDはなぜ効果があるのか?
人間や犬、猫に限らず、脊椎動物には恒常性(ホメオスタシス)を保つ機能があります。
恒常性とは、自律神経・免疫・抗体などを調整する動物の防衛機能です。
この恒常性を保つ機能にECS(エンド・カンナビノイド・システム)があります。
ECSは、恒常性を維持するために神経伝達物質(カンナビノイド)を使って、睡眠、食欲、運動機能、鈍痛、認知、記憶をコントロールしています。
CBDを摂取することにより、体内で内因性カンナビノイドが放出され、中枢神経に存在するカンナビノイド受容体と結合します。
その作用でセロトニンやドーパミンが分泌されて、ECSが体内の機能を活性化させて正常に保ちます。
注意すべき成分「THC」とは
THC(テトラヒドロカンナビノール)とは、CBDと同様に大麻草から抽出される成分です。
ですが、CBDとは違って精神活性作用や依存性があり、日本の大麻取締法では禁止されています。
THCを摂取することで多幸感や酩酊感などを感じ、いわゆる「ハイ」な状態になります。
また、副作用として依存性や認知能力の低下、運動機能の低下など、心身への悪影響を与えます。
ペット対するCBDの効果とは
日本でも多くのCBD含有の商品が販売されていますが、THCが含まれていないものに関してはペットに与えても有害ではありません。
さらに、継続使用をしても依存性がないので安全に摂取できます。
CBDをペットに与えることで、ペットの持病や問題行動、不安によるストレスの解消につながります。
ここでは、ペットに対するCBDの主な効果についてご紹介します。CBDによる効果は主に以下の3つです。
- 痛みを緩和する
- 食欲を刺激する
- 不安を軽減する
痛みを緩和する
CBDには、痛みを緩和する効果があると言われています。
関節痛を持つ犬や猫にCBDを与えたところ、痛みを和らげる効果を得られたという研究結果があります。
ペットが持病を持っていたとしても、痛み止めの薬を処方し続けると肝臓などに負担がかかります。
そんな中で、CBDは天然素材の薬の代わりとして期待されています。
食欲を刺激する
CBDを与えることで食欲が増進したという事例があります。
CBDはペットの脳内にある神経細胞に働きかけ、吐き気を抑えます。
犬や猫は食欲がないと十分な栄養が摂取できず、動物本来の自然治癒力が下がります。
元気がなく、ご飯を食べる様子がないときには、お水と一緒にCBDを混ぜて飲ませてみるのも良いでしょう。
不安を軽減する
CBDは体内のECSに作用して、セロトニンやドーパミンを分泌させるので、ペットに与えることでペットの気分が安定します。
不安障害を抱えるペットにCBDを摂取させると症状が改善したとの研究結果が出ています。
問題行動や不安を抱えている子はストレス症状が出やすいです。ストレスケアの一つに取り入れてみるのも良いでしょう。
ペット向けのCBD製品とは
ペット向けのCBD製品は、ペットフードと一緒に混ぜるCBDオイルや、CBDが配合されている犬用のおやつなどがあります。
「CBDオイル」「CBD配合ペットフード」について、その特徴も踏まえてご紹介します。
CBDオイル
ペット向けのCBD製品として主に販売されているのが、ペット向けのCBDオイルです。
摂取方法は、ペットフードと一緒に混ぜる、もしくは直接舌にオイルを垂らして服用します。
最近は、ペットの健康を考えてサプリメントを取り入れる飼い主さんも多くなっているので、サプリメントの代わりに使用するのもオススメです。
CBD配合ペットフード
最近では、CBDが配合されているペットフードも販売されています。
おやつで販売されている商品と普段のフード用の商品の2種類があります。
専門の通販サイトやAmazonでも購入できるので、ぜひチェックしてみてください。
ペット向けCBD商品の摂取方法
ペット向けのCBD商品は基本的に経口摂取(口から摂取)します。
摂取方法は、量を少しずつ与えるのがポイントです。
ここでは、CBD製品をペットに与える際の摂取方法を3つご紹介します。
ペットフードと一緒に与える
普段のごはんと一緒にCBDオイルやフードを混ぜ合わせるのが最もオススメです。
ペット用のCBDオイルは無香料なので、普段のペットフードの味に影響しません。
ですが、犬や猫にもごはんの好き嫌いがあり、食いつきが悪いと食べなくなりストレスを感じてしまうので、少しずつ量を増やして摂取させると良いでしょう。
ペットの舌に直接垂らす
CBDオイルの場合は、専用のスポイトで犬や猫の舌にオイルを垂らして摂取させます。
量はオイルの種類によりますが、まずは少量を与えるのがオススメです。
また、犬や猫が摂取したときの反応も必ず確認しましょう。
渋い表情をしたり、暴れるなど行動に違和感がある場合は、必ず獣医師に相談しましょう。
飲み水と一緒に与える
飲み水と一緒に与える方法もオススメです。
飲み水用のお皿や給水ボトルに入れた水にCBDオイルを少量垂らします。
ペットも水を飲むので、とても手軽に摂取できる方法です。
ですが注意点として、自動給水器と一緒に入れると故障する可能性があります。なので、なるべく給水ボトルやお皿に入れて与えるようにしてください。
ペット向けCBD製品の選び方
人間用とペット用では、CBD製品の選び方は異なります。
動物は嗅覚や味覚が人間より敏感なので、必ずペット用の製品を選ぶことが大切です。
ペット向けCBD製品の選び方については、以下の3つのポイントに注意してください。
- 無香料
- THCフリー
- テルペンフリー
無香料
犬や猫は嗅覚や味覚が鋭いので、必ず無香料の製品を選びましょう。
人間用のCBDオイルは使いやすいように、美容成分やアロマ成分などが配合されているのが特徴です。
さらに、CBDオイルは大麻特有の青臭さがあるので、苦手と感じるペットもいます。
必ず無香料で臭みのないペット用製品を選ぶようにしましょう。
THCフリー
THCは、精神活性作用や依存性がでる成分なので注意が必要です。
特に犬や猫に摂取すると眠気、過眠、嘔吐、よだれ、失禁、低体温、発作などの症状が出る可能性があります。
日本では大麻取締法で流通や摂取は禁止されていますが、稀に日本で販売されているCBD製品からTHCが検出されることがあります。
大切な家族を傷つけないためにも、CBD製品を購入する際は必ず成分分析表を確認して、THCが含まれていないか確認するようにしましょう。
テルペンフリー
テルペンとは、麻から出る香りや味を引き出す成分です。例えば、アロマのエッセンシャルオイルなどにも含まれています。
テルペンをCBDと一緒に摂取することで、アントラージュ効果という相互作用が働き、より高いCBDの効果を得ることができます。
ですが、犬や猫はアロマの香りが苦手な子もいるので、なるべくテルペンフリーのCBD製品を選ぶようにしましょう。
CBD製品をペットに与える際の注意点
CBD製品をペットに摂取させる際には、注意するべき点がいくつかあります。
主な注意点は以下の3つです。ペットにCBD製品を与える場合は、ぜひ参考にして下さい。
- 適量を守って摂取させる
- 摂取後の反応を観察する
- 疾病改善の場合は獣医師に相談する
適量を守って摂取させる
ペットにCBDアイテムを大量に摂取させることはオススメできません。
CBDの効果効能は、摂取後すぐに出るわけではないので、効果が見えない場合でも少しずつ量を増やすようにしましょう。
摂取後の反応を観察する
CBDオイルやペットフードを与えた後、副作用が出ていないか観察することがとても大切です。
CBDに限らずペットに新しいもの与える際は、摂取後に下痢や嘔吐など、症状が出ていないか観察しましょう。
万が一、症状が出た場合は与えないようにしてください。
疾病改善の場合は獣医師に相談する
犬や猫の関節病やがん改善など、疾病の改善にCBDを使用する場合は、使用前に必ず獣医師に相談しましょう。
CBDは天然成分から作られているので、ペットに与えやすいと安易に考えているかもしれませんが、ペットの病状を悪化させる可能性もあります。
疾病改善が目的で使用する、またすでに服用している薬がある場合は、事前に担当の獣医師に相談して下さい。
まとめ
今回はペット用のCBD製品についてご紹介しました。
CBDはペットにも与えることができ、健康の改善効果が認められています。
CBDがペットに与える効果の研究はまだ少ないですが、少なくともペットの生活の質を上げることができます。
ペット用のCBDオイルやペットフードなども近年増えています。
ご飯や水に混ぜて与えることもできるので、ぜひ一度試してみてください。